青春18切符

3月は「青春18きっぷ」を利用した定例山行が予定されていることから、「青春18きっぷ」の利用体験について書きます。 以前にもこれを利用し、東海道線六合駅→身延線→中央線→飯田線→東海道線とたっぷり12時間以上掛けて周回したことを紹介した。それが結構楽しく、達成感を感じたので、その後も興味が出てチャレンジしてみた。まずは、冬の日本海と雪景色を見たいと思い、一日でどこまで行けるのかと調べると、新潟県の直江津は可能であった。そこで、ルートも楽しみたいと調べると、「六合→身延線甲府→中央線塩尻→篠ノ井線長野→信越本線直江津」で直江津に夕方に到着する。翌日は、「信越本線直江津→宮内→上越線→高崎線高崎→東北本線大宮→東京→東海道線六合」が可能であった。そこで、その予定で出発し、予定通り直江津に到着すると、この年はめずらしく雪が無く、港に行って日本海を見るには暗くなってしまい残念。しかし、途中の車窓などでは色々な体験ができ楽しむことができた。

 まず、篠ノ井線に乗車し車窓を眺めると、そこからの北アルプスの景色は素晴らしく、また田園風景と山並みがマッチしていた。車で行くと、前方の山で常念岳などの山々が隠れてしまう。線路の高さにより、車窓からの角度が山並みの景色を丁度よくしているのであろう。もしかすると、景色を考えて、レールのルートを決めたのかもしれない。その路線の途中でカメラを構えている人やカメラを抱えて乗車する人を多く見かけた。その意味がわかったのは、長野市内(善光寺平野)を一望できる姥捨駅付近である。その峠の傾斜が急なため、全国でも珍しいスイッチバック47方式で峠越えをしており、この写真を撮りに来た「撮り鉄」の方々であった。そして、長野駅で信越本線に乗り換えた後、途中の妙高高原駅を通る頃は雪深い中を走っている。残念ながら、雪が降っている天気のため妙高山は見えなかった。その高原を下ると大河ドラマ直江謙次で有名となった春日山城のある春日山駅を通過し、次の駅が日本海に面する直江津駅である。もしかすると直江津の名は、直江謙次と関係するのかと考えてしまう。翌日は、日本海沿いに信越本線を下る。冬の日本海は波が荒い。途中、原発でよく耳にする柏崎駅を通過する、なんとなく寂しく感じる路線である。宮内駅で上越線に乗り換える。トンネルを越した越後湯沢駅からは、まったく雪景色がなくなってしまい、東北と関東の境ではないかと強く感じた。そして、上野駅を通り東京の親戚に泊まり、翌日六合に帰る。

47都道府県鉄道路線図(URL: http://www.himawari-design.com/railmap/) より転載
青春18切符

 
次の企画は、日本の豪雪地帯で有名な新潟県と福島県にまたがる只見線を目指す。今回は前回と出来るだけ異なる路線を選ぶようにした。甲府までは同じルートであるが、その後は、小海線→しなの鉄道→飯山線で只見線の始まりである小出駅に向かう。飯山線沿いは、豪雪地帯で、1m以上積もっている真っ白な雪景色を眺めながら夕方に小出駅に到着した。翌朝、小出駅から只見線に乗車する。乗車前に、周辺を散策すると、俳優渡辺謙の出身地と表示された看板があった。また、遠くに越後三山(八海山・越後駒ヶ岳・中岳)がよく見える。この路線は一日に2本の運行であり、昨日は雪の影響で運休だったとのこと。今日は、非常に良い天気で乗車できラッキーであった。そして、只見線でいくつか駅を過ぎると、以前、田中代表が越後のいい山と言っていた守門岳と浅草岳の登山口と表記された駅を通過する。また、数年前の台風の影響で、一部区間がバス運行である。乗り換えまでの2時間程度の待ち時間に、町のパン屋さんで休みながら、店のおばさんと話をする。やはり過疎化が進んでいるのと、冬期は町に住んでいる子供の所に行く方もいるそうで、ボケが進んでしまうと冗談で話してくれた。そして、終点会津若松駅から磐越西線で郡山駅を経由して東北本線で東京に行く。東京で娘の所に泊まり、翌日東海道線で六合に着いた。
 このように、「青春18きっぷ」はゆっくりとした時間を作ってくれ、日常と異なる空間にゆっくりと運んでくれるので、リフレッシュできるよい切符と感じている。今回の定例山行も楽しみである。【延房】
会報やまびこNo.215  続・青春18切符【巻頭言】 転載



【月々の山】 「鎌倉」
お山とお洒落な街を

Google Earth で見る鎌倉の街、三方を丘陵地に囲まれる
青春18切符


 鎌倉の市街は東、北、西の三方を山で囲まれ南は相模湾に面している。戦国の世ではこの地形が天然の要塞になっていた。市街地の北から東にかけては六国見山(147m)大平山(159m)天台山(141m)衣張山(120m)などの低い山が連なり、逗子市との境に当たる飯島ヶ崎、和賀江島方面へ伸びている。市街地周辺の山はいずれも標高100~150m程度だが、標高の低い割には侮ることなかれ、急坂やアップダウンの激しい山道が多いとされ、市街地北方の尾根道には鎌倉アルプスの別称がある。
青春18切符


豊かな自然を楽しむことができる、いくつかのハイキングコースがあるが、今回は一番人気の天園ハイキングコースを歩く。低山ながらも見晴は良く鎌倉市街や相模湾、富士山、横浜市街なども望む事ができるコースである。また、源頼朝によって鎌倉幕府が置かれた歴史深い街ならではの史跡も随所にあり、約800年前の鎌倉時代に思いを馳せ歩いてみるのも趣がある。
 鎌倉へは青春18切符で向う。電車に揺られながら車窓からの眺めを楽しみ期待で胸が躍ることだろう。片道3時間程で北鎌倉駅へ着き歩みを始める。明月院北からコースに入る。やぐらが数多く見られる。やぐらとは山肌をくりぬいた横穴式のお墓で、総称百八やぐらと言うが実際には200以上存在する。また、鎌倉時代、幕府滅亡の際に落ち延びる北条家家臣を貝を吹いて導いたとされる貝吹地蔵にも会える。大平山山頂は159m。広く見晴が良い。終点は鶴岡八幡宮。大イチョウは台風で倒れてしまったが、今は次世代の若木が伸びている。若宮大路や小町通りを散策して、スイーツでお腹を満たしたり、お土産物を覗いたり、観光気分も多いに楽しめる。
お山と、お洒落な街の旅行気分を満喫できる、滅多にない贅沢で貴重な山行。さあ、いざ鎌倉へ行きましょう。〔悦子〕

会報やまびこNo.215 【月々の山】 転載
SHC広報





2015年03月16日 Posted byこだま at 18:00 │Comments(0)会員エッセイ

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